対馬の動植物
対馬には,ここでしか見ることのできない生物や,大陸の流れをくむ生物
が数多く生息する。これは,日本本土から隔絶された“島"という特殊
環境下にあること,また距離的にアジア大陸に非常に近く,かつては大陸と
陸続きの時代もあったという地理的,歴史的特異性によるものと考えられ
る。
イリオモテヤマネコとともに国内に生息する2種のヤ
マネコのうちの1種で,対馬にのみ生息する大陸系の
ヤマネコである。昭和46年に国の天然記念物に指定された。イエネコとほぼ同じ大きさで(成体で頭胴長60〜65cm,尾長25〜30cm),丸い耳先(イエネコはとが
っている),耳の後ろの白い斑紋,眉問の縦縞と胴体の
斑点が特徴である。昭和40〜43年の調査で250〜
300匹はいたとされるが,60〜62年の環境庁の調査で
は約100匹に,平成6〜8年の調査では70〜90匹に減って
いると推定されている。保護対策としては,これま
で平成元年度に,上県町伊奈地区に国設鳥獣保護区
が設定され,平成6年3月には「絶滅の恐れのある野生動
植物の種の保存に関する法律」に基づく保護対象種(
希少種)の指定第1号に孟lζf二工gぶ二ffh草
され,平成15年12月にはツシマヤマネコの一般公開が
開始された。一方,福岡市動物園では飼育下繁殖に
取り組んでおり,平成12年4月に我が国で初めて仔ネ
コが生まれて以降,順調に繁殖が進んでいる。(H15年度
末現在9頭)しかし,生息環境の変化に伴う生息区域
の減少,交通事故の発生,イエネコからの病気感染,ノ
ライヌによる咬害などで,現在の野生個体群は非常に
危機的な状況におかれていることから,ツシマヤマネコ
が自然状態で安定的に存続できる状況になることを
目標に,将来の対馬への再導入(飼育下増殖個体の野
生復帰)のための試みが始められている。
ホンドテンの別亜種で島という特殊な環境に隔離されて進化したものであ
る。頭胴長約40〜45p,尾長17〜20cm。夏は黒茶色であるが,冬にな
ると土地の人が「ワタボシカブリ」と呼ぶように頭部が灰白色,他の部
分は黄褐色となる。昭和46年,国の天然記念物に指定。対馬だけに生息
している。